2008年10月30日木曜日

正義のゆくえ

裁判所で訴訟の傍聴をしてきた。
そこで展開されるのはロジックではなく、ただ単純な事実でさえない。
現実にある、一主人公としての証人が語る一つのリアルな物語。
喜悲交々で、複雑な人間関係から一縷の光(真実)を見出す場所だった。

正義とは何か。
数年前の私は即答した。
「裁判所の認定した事実のみが正義」だと。
だがそれは真実だろうか?
裁判官とて人間である。
誤審がないとは限らないし、人情にほだされることがないとは限らない。
(人道的に正しいと見なされることもあるが)

当時の私も無論、そんな事は承知の上であったが、それでも無法よりはマシと割り切っていた。

裁判所とは、清算の場所であるらしい。
どうにもしがたい現実に対する感情を全て吐き出し、新しい道を歩みたい。
それはある意味では過去との決別である。
法廷とは、その告白を叶えるだけの決意があるかを試す言わば分水嶺のようなところだ。
結果として、今より良くなるか、悪くなるかは誰にも分からないが…

法を学び、社会を知り、今だからこそ解った裁判所の役割。
やはり日本において訴訟とは、最後の駆け込みどころということか。

とは言っても、やっぱり学生時代に来たかったのが本音。
あの頃も必死過ぎた。

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