2009年4月3日金曜日

東方幻想奇譚

洋の東西を問わず人間の歴史はあやかしその他の超自然的な生き物との戦いであった。
妖怪はその特異能力を、人は神への信仰心を武器に幾度となく衝突した。

やがて人間は信仰心よりも火器という強力な武器を手にし、
妖怪などとるに足らない存在となった。
人間は互いに争うようになりいつしか物の怪も、神も、その存在を忘れていった。

近代、「スキマの妖怪」と称される八雲紫と博麗の巫女により、
住処を追われた妖怪たちのための新たな楽園、
後に『幻想郷』と呼ばれる空間を人間社会より隔離した。

幻想郷はこんにち人間と神、対する異形の者の戦いを再現する場所となったのである。
故に、ここでは人間と妖怪は決して相容れることはない。
戦い、優劣を競い合うことこそが幻想郷の存在意義なのだ。
博麗の巫女、霊夢が妖怪に容赦しないのはこれが理由である。

妖怪を擁護することはすなわち神への信仰を決して忘れない。
時代から切り離され、進化することを止めた世界、それこそが幻想郷である。
舞い散る桜の花びら
出がらしの茶葉にさえここでは意味がある。
要は、お互いがお互いの存在を認め合う唯一の世界なのだ。
幻想郷の歴史を綴る稗田 阿求、その人の歴史書こそ東方である。

1 件のコメント:

namazu さんのコメント...

たまーにみとるぞよ。