2009年4月3日金曜日

やがて訪れる朝の音に耳をすませて。

君の差し伸べてくれた手が
何より愛しいと思ったよ。

嗚呼綺麗だね、その結晶(rayonnement de la vie)
僕という命のともし火が消えようと
初めて守りたいと思ったよ。

幾千ものRose(ロゼ)よりも誇り高き想い
それは少年が騎士になりたいと願った、夜のことである。
戦乱の末、斜陽の町にただ残された、一人と一匹の出会いと別れの物語。
すす汚れた服の少年は、穢れを知らぬような真っ白な猫が弱っているのを見つけた。
生きようとしている。この誰もが生気を失った町でなお諦めない生への執念。
それから少年は猫と寝食を共にした。
その瞬間が永遠に続けば良い、そう思っていた。

「スリだー!」
身なりの良い男の叫び。
逃げていくのはすす汚れた少年。
今日ばかりは相手が悪かった。
領主の知り合いである。
あっという間に追い詰められ、そして殴る蹴るの暴行を受ける。
少年は猫を守るため、猫は自分が生き残るため
非力な少年に残された最後の手段。
それさえも奪われた少年は這々の体で自らのねぐらへと帰る。
そこにはぐったりとした猫がいた。
もう、何日も何も食べていない少年と猫
「ごめんね、今日も何も食べさせてあげられない」
少年の瞳から零れ落ちる涙が、白い猫の頬を濡らす。
精一杯の力で、猫がした最後の愛情。
少年の顔に、前足を当てる。
少年が顔を上げた瞬間、猫はもう動かなくなっていた。
取り残された少年は、涙枯れ果てるまで泣いた。

「私を愛したように、誰かを愛してあげてね」

少年が目を覚ますと、もう朝になっていた。
少年は立ち上がり、今度こそ人に好かれる人間になろうと決意した。

『ありがとう、私の愛したご主人様』



4月になりましたねぇ。
しかしこのブログにエイプリルフールネタなんぞない。
そりゃだって、常日頃ふつーに嘘ついてますもん。新鮮味もないしね。
しかし3月はいっぱい更新したなぁ。
3月だけで2007年の総投稿数を余裕で超えてるよ…
どんだけやる気なかったのかよく分かりますね。
いや、今がやる気満々ってわけでもないですが。

まあね、戯言ばっかりだし、ここ。

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